午後の雨 / Rain in the Afternoon

らくがき未満 / less than sketches

2022-01-01から1年間の記事一覧

2022

2022年が終わろうとしている。とはいえ、やることは少しも減っておらず、多少余裕のある今だからこそやらなければならない数多くのことに向き合っている最中である。 今年は、ひたすら自分の見たくない部分と向き合った一年だった。現実の、等身大の自分から…

コロナ禍の終わり

コロナ禍になってから、2年以上が経った。日本ではすっかり、COVID-19との共存するというかたちで、日常生活を取り戻した。2020年に家に閉じ込められ、精神に変調をきたしていたが、わたしもすっかり回復した。 終わりつつあるのは、コロナ禍だけではない。…

憂き世

30歳になった。恋人と、リッツ・カールトンでイタリアンを楽しんだ。ホテルの玄関を開けた瞬間、別世界が現れた。大英帝国全盛期のヴィクトリア朝時代を思い出させるような家具が私たちを迎えてくれた。そこで、20歳のときに行ったヨーロッパ旅行の記憶が蘇…

10年前の自分へ

やあ、元気かい。君はもうすぐ20歳になろうとしているね。君はまだ大学2年生で、楽しさのまっただなかにあると思う。わたしは、君を励ましたいと思ってこの文章を書いている。友達と遊んだり、バンドをしたりしていて、なんで励まし?なんて思うかもしれない…

負けず嫌い

今日は雨だ。なんだかやる気がしない。まあ、いつものことなんだが。日常に激しく追い立てられる。毎日のようにプレッシャーをかけられ、焦ってしまう。今日中に仕上げたいプレゼンがある。しかし、やる気がしない。だから私はコーヒーを丁寧に淹れる。 もう…

ナルシシズム

研究がうまくいかず、病みに病んで、最長記録の18日間なにもできなかった。1日だけ作業をしたが、そのときは向精神薬を飲んで無理やりだった。もっとも、なんだかんだ言って、その間にはプールで泳ぎ、恋人と温泉や京都の五山送り火を見に行ったりして、夏休…

いいね中毒

ネットニュースの記事で、最近の若者には「いい子症候群」が蔓延し、過剰に空気を読み合い、目立つことや失敗することを異常に恐れるという記事を読んだ。おそらく、わたし自身もそうした若者のひとりだ。では、なぜそうなるのか?を考えてみた。そして、そ…

祈り

先週のカウンセリングで、「祈り」について話した。私が、「祈り」についてはじめて考えたのはいつだろう?カウンセリングの場で聞かれたときは、自分が会社を辞めた時、母親が毎日会社帰りに神社で祈っていたと聞かされたことを挙げたが、よくよく考えると…

点をつなぐ

研究をしていく上で重大な壁にぶつかって1週間、わたしはずっとベッドの上で寝転んでいた。本当になにもせず、Youtubeでネタ動画を延々と見続けていたわけだが、その間、自分を見つめ直し、軌道修正する機会になった。 今行こうとしている方向がうまくいかな…

いじめについて

先ほど「まなざしの地獄」という記事を書いたが、その続きで、わたし自身がなぜ他人の否定的な「まなざし」を恐れるかをさらに考えた。 今まで「超自我」を仮想敵のように考えてきたが、超自我にはもちろん、よい機能もある。わたし自身を集団の掟破りによる…

まなざしの地獄

今日も今日とてまったくやる気がしなかった。それでも、事前に研究対象地の社会福祉協議会のシンポジウムをオンラインで申し込んでいたので、Zoomで参加した。「引きこもり」の人や、「生きづらさ」を抱えた人の支援団体の話だったが、いろいろ考えさせられ…

破綻...からの

最近、うまくいかないことが重なって、歯車が回らず、研究の道を目指してみたがもはやこれまでかな、と感じることが重なっている。野球の試合に例えたら、8回裏ですでに9-3くらいで負けており、あと1回ではどう足掻いても勝てそうにないことが見えてきてしま…

地球感覚

ここ2年ほど、「天地がひっくり返る」という謎の予期不安にずっと悩まされていた。きっかけは、とある巨大な建造物を見たことだった。縮尺がおかしく感じられ、まるで空と大地がひっくり返るような感じがして、それがただの想像ではなく、リアルな恐怖と結び…

彼女と付き合って、2年と1ヶ月が経った。2年の記念日を祝うのは、私の親知らずの手術のために延期していたが、早く予約しなければならない。 昨夜、2人は近くの大きな公園を散歩した。ひさびさにこの公園に来たが、公園には新しい、今風のおしゃれなカフェや…

膜のようなもの

オーストラリアから帰ってきて、はやくも1週間が経った。1週間、あっという間だった。なにをやっていたかは、覚えていない。 オーストラリアにひとりで行って学会発表したことで、ある意味自分自身を取り戻した。自分の身体と少しの金、そしてパスポートだけ…

巨大な目

無事学会発表を終えて、日本(成田)に帰ってきた。といっても、今はトランジットで、明日の便で関空へ向かう。 成田について、電車に乗ると、巨大な目を感じた。そしてわたしは、強い吐き気を催した。オーストラリアに行く前、たびたび心象風景のスケッチで…

日本

今日もオーストラリアにいる。本当は学会があったが、あまりにも行きたくなさ過ぎてSkipした。そして、カフェに行き、海を見て、海岸沿いをあるきながら学部時代の友人と電話した。オーストラリアに来て、日本の世情の暗さをはっきりと意識化することができ…

主客転倒

オーストラリアで開かれている国際学会に参加している。しかし、やる気はまったくせず、ちっとも楽しくない。わたしの研究が、いや、わたしの人生が行き詰まっていると感じるからだ。 代わりにというか、ホテルのベッドに寝転んで、(意図せず)自分の生き方…

オーストラリア

ここ数年、めっきり腰が重くなった。コロナ禍がそれに拍車をかけて、外出すらおっくうになっていた。家の外でもそうなのだから、外国なんて強制されなければ行くことはない。 だが、今は久しぶりに海外にいる。オーストラリアだ。明日からの国際学会での発表…

ルサンチマンと激しい怒り

「激しい怒り」というタイトルとは、このブログの雰囲気にあまりなじまないものであるように思う。しかし、つい先ほど、わたしは積年の激しい怒りを内に秘めているということを自覚した。 きっかけは、わたし自身が、いつからかずっとルサンチマンを抱えてい…

酔狂

結果に自信がもてないまま、研究に忙殺されている。自分には才能がないと思ってしまう。しかし、今のところはまだやってみるつもりである。 先ほどオンラインで、大学院の後輩が企画してくれた勉強会に参加した。社会学の基礎を学び直すというものだ。「社会…

能動的想像

前回のブログで言及したユングの『元型論』をさっそく取り寄せ、読解を進めている。分厚い大著だが、元型的な力がすぐそこに差し迫っているので、すらすらと読むことができる。読むと言うより、体験するといった感覚のほうが近いか。10年前に大学図書館で見…

自粛警察

昨日に引き続き、いろいろと考えが浮かんだのでメモ程度に記しておく。 ここ数年、同じ夢を何度も見ていた。散弾銃のような長い銃をもった兵士のような男たちに、つねに銃を向けられて追いかけ回される、あるいは監視されている夢だ。この夢は、わたしが抱え…

他人の罪を背負うとき(2)

もう深夜12時半をまわっているが、数時間前に書いたブログの記事から、さらに考えが浮かんできたのでメモとして書き記す。 hayatokat.hatenablog.com 先ほど、自分が相手にしているのは普遍的無意識としての「影」だと考えた。河合隼雄は、「影」が個人のも…

他人の罪を背負うとき

ゴールデンウィークに入って、日常の圧力から一時的に解放された時、激しい空っぽ感に苛まれた。そして、三日三晩、狂ったように小説を書いた。それは傷を癒すため、そして影の脅威から逃れるためである。一応、骨格は結末まで出来上がった。 そして、自分が…

慌ただしかった2021年度も明日で終わろうとしている。調査から帰ってきたわたしは、もろもろの書類を出すために大学へ向かった。キャンパスに植えられた桜はもうかなり咲いていた。 大学では、自分も1章分執筆した学術書と、自分も執筆した報告書を受け取っ…

「よい子」

仕事のプレッシャーが極値に達し、東京で潰れたときと非常に似通ってきたので、抱えていた締切間近の仕事を放り出して、コロナ禍以降中断していたちょっとした電車日帰りの一人旅をした。仕事で自身のメンタルがかなり悪化し、おおげさにいえば死に片脚をつ…

根をもつこと

無意識の王国から追放されたトリスタンは、長い旅路を経てついに故郷に帰ることになった。彼は、もはや追放された者ではなかった。 彼は10年ほど前、故郷から逃亡の旅へ出た。耐えられない出来事が続いたからだ。彼は故郷のすべてを否定した。出自を隠した。…

食べる(3)

最近、自分のなかに起きている変化を記録する。 数ヶ月前、自分は能動態と受動態の間にあったという「中動態」から展開された國分の議論にはまっていた。國分によれば、「中動態」とはカツアゲされたときにお金を出すという行為である。お金を出したのは自分…

2022

今年の年末年始は、生まれて初めて地元に帰省しなかった。年末年始は恋人と静かに暮らした。思いがけず、高校の友人とも(彼の交際相手が関西にいることもあって)難波で飲むことができた。 はじめて自分達のお金で買った高級和牛で年末のすき焼き、馴染みの…