午後の雨 / Rain in the Afternoon

らくがき未満 / less than sketches

日本

今日もオーストラリアにいる。本当は学会があったが、あまりにも行きたくなさ過ぎてSkipした。そして、カフェに行き、海を見て、海岸沿いをあるきながら学部時代の友人と電話した。オーストラリアに来て、日本の世情の暗さをはっきりと意識化することができた。日本で感じていた神経痛のような感覚は、こちらに来たら消滅した。

 

いま、日本にいると、自分の内側にすら、巨大なマグマのような、よくないものを感じる。それは個人を超えた、破壊的なエネルギーである。それがわたしはとても怖い。そして、わたしはそこに「国体(戦前に使われた、天皇を中心とした国家を指す用語)」を見る。参議院選挙の政党の一覧を見ても、右に傾いた政党が目立つ。戦後の経済的な繁栄のなかでそれは隠されていたが、国体が一気に顔を出すのではないか、軍国主義の時代に逆戻りするのではないか、と危惧している。日本は、巨大な化物に支配されているように見える。それは集団のなかに存在する、無意識のレベルのものである。

 

日本は、(少なくともリベラルであるわたしにとって)悪い方向へ向かっている。「外敵」からの防衛を名目に、個人よりも全体に奉仕することを強制するような全体主義国家には再登場してほしくない。個人の権利が縮小することを強く危惧している。しかもそれは、今の政府というよりも、われわれの内側、無意識に近い領域にある伝統的な文化なのである。その、暴力的なエネルギーが噴き出すことを恐れる。そして、それははわたし自身すら例外ではない。