午後の雨 / Rain in the Afternoon

らくがき未満 / less than sketches

2020-09-01から1ヶ月間の記事一覧

無意味さ

クンデラの『存在の耐えられない軽さ』を以前読んだのとは別の訳で読んだ。 存在の耐えられない軽さ (池澤夏樹=個人編集 世界文学全集 1-3) 作者:ミラン・クンデラ 発売日: 2008/02/09 メディア: ハードカバー クンデラは何回も完成した作品に手を加えて改稿…

大阪は夜の七時

自分にとって幸福とは、秋の夜長に誰かの帰りを待つことなのかもしれない。抱えている仕事、降りかかる税金、心の苦しみ、そんなもの全部が今はどうでもよかった。とにかく今は、幸せだった。

20代後期

ここ最近、本当に精神を病んでいたが、ようやく回復の兆しがみえてきた。それは、私に生き方の変化を突きつけた。20歳から27歳(以下、20代前期と呼ぼう)まで全力で駆け抜けたが、それがうまくいかなくなってきた。どうやら、パラダイムシフトの時期にさし…

虚しさ

ふとした瞬間に、虚しさを感じる。たった今気がついたのだが、私は虚しさが好きだ。それは傾いた午後の日差しのように、静けさのなかにある。それは私の秘密の友人である。私はそれを優しく愛撫する。からかいたくなるくらいに愛おしい女の子を愛撫するとき…

Flying Away

I decided Flying away, from the yesterday's ground Flying away, from the day I lived Throwing away, any clothes Throwing away, my damn thoughts Getting away, from the life I lived Getting away, from the day I loved Escape from yesterday, f…

内省

「そういうわけで、僕の人生の意味も、目標も、すっかり見失ってしまったんだ」 僕は部屋のなかで、『女の子』に語りかけた。 「そうなのね。じゃあ、どうしたいの」 実態のない、想像上の彼女はいつものように優しく言った。 「ひとつだけ、いいアイデアが…

プミラ

何か新しいことを始めないと気がすまない質(たち)らしい。 引越し先の新しい部屋は少し広く、なんだか寂しい感じがしたので、観葉植物を育ててみることにした。はじめは無印良品に買いに行ったのだが、気に入ったのがなかったためその日は断念した。別の日…

初秋の夜

先程「袋小路」という記事を書いてすぐに、大学へ行った。自分が企画した週1の院生同士の勉強会に出るためだ。これは自分自身の研究のペースを作るためにもともと企画したのだが、いい感じに他の院生もそれに乗っかってくれていて、今は私の手を離れている。…

袋小路

気がつけば、30代まであと2年と2ヶ月ほどになっていた。ここにきて、私は深刻なアイデンティティの危機に陥っていることを自覚した。 その引き金となった大きな理由のひとつは、友人関係がうまくいかなくなってきたことにある。そして彼らは、彼ら自身の落ち…