午後のまどろみ

らくがき未満 / less than sketches

2020-01-01から1年間の記事一覧

断章

「人生に正解はない」という命題を、以前は呪いであると思っていた。しかし、今の私にとって、それは福音である。「正解なんてなくてよかった」。そう思って人知れず人生の脇道にそれていくのである。

よく視る

休日だったが、オンラインで学会に参加した。(もう、ずっとこのzoomでのスタイルでいいのにと思う)。 このところ、研究が伸び悩んでいて苦しい。「新しい」知見を出すことに苦戦している。まるで産むことをせっつかれているニワトリのようだ。それに社会学…

ピアノ

天気が悪かった。オンラインでゼミが終わった後、疲れ果ててピアノを弾いた。びさびさにのめり込んだ。今日は珍しくドビュッシーを弾いた。『夢』という曲だ。小学生のときにこの曲に耽溺していた。それは今もあまり変わらない。 鍵盤が構成する音色から、私…

日曜日

日曜日の朝、父の日だったので、父親にメッセージを送った。「毎日、大変だと思うけど、一日一日大切に過ごせよ」と返ってきた。少し前だったら、定型句として聞き流していたかもしれない。しかし、父親がこの言葉を実感を込めて本心から言っていることが私…

停滞

雨が降っている。数時間前も同じ書き出しでブログを書いた。あれから、Zoomでゼミがあった。今回は、人の発表を聴いているだけだった。 研究が、停滞している。もうずっとだ。途方に暮れている。今の私にとって、研究は雪かきのようなものである。雪かきをし…

雨が降っている。少し苛立っている。 今、やろうとしている農村研究の先行研究を相変わらず調べているのだが、なかなか自分が使えそうなパラダイムがない。そもそも、今日の社会学は混乱している。共通の理論というものがない。そんななかでも、都市社会学は…

重さと軽さ(2)

いつか重さと軽さについて書いたような気がするので、今回はその続編ということで(2)という文字を付け加えた。 最近勧められて、茶道についての映画である『日日是好日』を観た。そのなかで先生役の樹木希林が「重たいものは軽々と、軽いものは重々しく」…

ラジオ

大阪に引っ越してから、深夜のふとした時間にお酒を飲みながらラジオを聴くことにはまっている。radiko全盛期の現代であるが、私は高校の時(10年前)に買った携帯ラジオを使っている。雑音が入っているのがいい。手回しで周波数を捉える。小さなラジオがし…

わからない

博論を書くために、先行研究を集めていた。私の博論のテーマは過疎農山漁村の地域おこしに関するものである。そのため、「地域おこし」に関する議論をいろいろと読んでいた。 しかし、読んでいて、わからなくなってきた。もとより、「地域おこし」というのが…

考えるって何って聞かれたものだから

数日前、大学時代の友人と議論になった。その詳細は私の個人的な問題に関わるので述べないが、その中で「考える」とはなにかという話になった。 彼は池田晶子が好きなようだ。私は食わず嫌いのような感じで読んでいなかったが、気になったので先ほど大学図書…

紅茶

大人って、めんどくさい。本当はいつだってちょっと面倒見の良さそうな人に全部丸投げしたいところだが、大人として生きていかざるをえないのでなんとかやっている。 研究というのは本当にやることが多い。それにただ研究していればよいというわけでもなく、…

いつの間にか、もう6月だ。紫陽花の花を見てそれに気づく。道端に咲いている花にはあまり関心が向かないが、紫陽花だけは昔から好きだ。そして見れば、案外紫陽花の花というのは方々に植えられている。 直近では一昨日の研究会発表がひとつの山場だったが、…

「丁寧な暮らし」

「丁寧な暮らし」。最近この言葉をよく聞く。はじめて私がこの言葉にであったのは、フィールド調査で有機栽培を行うコミューンのような場所でインタビューしたときだ。 礼文島で2年間田舎暮らしをしてから都会に帰ってきた。20代も後半になってきた。そんな…

黒い海

さっきまで高揚した気分だったのに、急に激しく落ち込んだ。おそらく、気圧が低下してきたせいだろう。今まで足場だと思っていたものが急に崩れ、心の広大な黒い海に投げ出される。 あまりに広い心の海に、溺れそうになる。濁流に飲み込まれそうになる。自分…

ビール

気がついたらまた、深夜0持を回っている。寝付けそうもないのでコンビニに行ってバドワイザーを買ってきた(エビスやプレモルの気分ではなかった)。 直前まで、友達からの恋愛相談(?)や別の友だちから仕事辞める辞めないについての話を聞いていた。その…

Early Summer

Two years have been passed. Of course I know that recalling is stupid (actually the word "stupid" was her favorite word...). But I cannot stop remembering. At that time, she was (maybe still now) a PhD student. We met on early summer. Now,…

落書き

23時半を回って、相変わらず私はウイスキーを飲んでいる。 夜中の闇に誘われるように、過去の記憶へと浸る。 5年前、学部の卒業式の日、三田キャンパスの誰もいない教室に落書きをした。他愛もない、「慶應義塾大学2014年度卒業」と。そう書き残して私たちは…

未来

「大きな物語」の終焉を高らかに宣言したのは、フランスの哲学者フランソワ・リオタールだった。ポストモダンの幕開けである。 それから数十年、日本で、特に若者の間で「大きな物語」が終わろうとしている。「いい大学を出て、いい会社に入る」という規範的…

一息

お風呂上がりに(アルコールの飲み過ぎを警戒して)冷たいお茶を飲んでいる。思えば、いろいろな夜があった。 最近よくそう思う。まるで、何人か分の別の人生を輪切りにしているようだ。名古屋にいたこともあったし、東京にいたこともあった。長崎にも京都に…

ウイスキー

もうすぐ夜の0時をまわろうとしている。もともと私は23時には寝る人間であったが、引越し先の物件はほど近くに線路や踏切があり、どうせ終電まで寝られないので、ライフスタイルをそれに合わせることにしたのだ。 今は間接照明だけをつけて、暗い中でジャズ…

可能性を狭める

引っ越してから1ヶ月が経った。その間いろいろありながらも(なにもないということがありながらも)なんとか今日まで生きている。 今日、研究者養成事業を所管する国の外郭団体から大学を通して、自分の個人研究につく予算の交付内定の知らせが来た。付いた…

Podcast

ノリで、Podcastをはじめました。内容はこのブログと似ていて、だらだらと思ったことをなんとなく語っていく感じです。よかったら聴いてください。 「誰かのひとりがたり」 URL: https://anchor.fm/hayato-katagiri/

コーヒー

休日の朝、久しぶりに目覚めが良かった。カーテンの隙間から日差しがこぼれる。いつも通り、丁寧に淹れたコーヒーと近所のおいしいパン屋で買ったトーストを食べる。少し気だるい感じで、コーヒーを飲むのが心地よい。ゆっくり、とりとめのない考えごとに耽…

鬱屈

引っ越して3週間、部屋は整ったが、自分の心は乱れている。というか、どちらかといえば堕落している。#Stay Homeしすぎて、鬱屈の極みである。昨日は昼下がりにビールを飲んで、ベッドで寝ていた。一昨日は確か散歩をして、いい感じのパン屋を見つけたので、…

前向きな諦め

大阪に引っ越してから2週間ほどが経った。体調はあまりよくない。指導教員の先生や研究室とのやり取りなどは、MicrosoftのTeamsというアプリを介してリモートで行っている。少し余裕が出てきたからか、単にストレスが蓄積して自律神経がいつも以上に乱れてい…

余裕

部屋が整い、新しい生活(といっても外出自粛の生活)のリズムが整ってきた。新しい部屋は私好みの機能的、合理性を重視した部屋であり、基本的には無駄なものは一切ない。部屋の中心にデスクと椅子が置かれ、その上にデスクトップ型のiMacが置いてある。そ…

心の翳、せめてコンソメスープ

思えば、引っ越してから一度も大学に行けていない。というかCOVID-19のせいで誰とも対面で話していない。こんなことってあるだろうか?加えて、新しい部屋は大変気に入ってはいるのだが、唯一の難点として近くの電車が想像以上に煩くて寝られず、ストレスが…

原点

引っ越しから一週間以上経って、部屋も整ってきた。ただ周知の通りCOVID-19の流行のせいでほとんど外には出ない日々が続いている。 修士論文を仕上げてから、研究については燃え尽きと自信喪失を味わう日々だったが、ここに来て筋トレにおける超回復のように…

ケーキ

引越して5日がたった。まだ部屋にはカーテンが届かず、ローテーブルもないためダンボールで代用している。引っ越した部屋は先の物件大戦争のかいあって、線路が近くて音がうるさいことを除けば大満足である。 大阪物件大戦争の記事:http://hayatokat.hatena…

お金

これから再び実家を出て一人暮らしをするということで、家計簿管理サービスにクレジットカードや銀行口座を連携させ、ざっくりと収支をモニタリングすることを始めた。 自分はあまりお金を使わない方であり、いろいろと主観的には我慢しているつもりだったが…