午後の雨 / Rain in the Afternoon

らくがき未満 / less than sketches

重さと軽さ(2)

いつか重さと軽さについて書いたような気がするので、今回はその続編ということで(2)という文字を付け加えた。

 

最近勧められて、茶道についての映画である『日日是好日』を観た。そのなかで先生役の樹木希林が「重たいものは軽々と、軽いものは重々しく」と言って器を持ち上げるシーンがあった。それが自分の頭のなかに残っていた。

 

話は変わるが、子供の頃、盆の日に皆でお経をあげて念仏を唱えているときや、原爆の被害についてのビデオを見るとき、いつも妙にソワソワしていた。まわりが神妙な顔をして、自分にもそれが求められる。それで子供の私も神妙な面持ちでそこにいるのだが、そうすればするほど笑ってしまいそうになった。念仏ならともかく、原爆の被害や戦争体験について語られたときに笑ってしまったら、非難されることは間違いないだろう。だが、もちろん当人の気分を害したり傷つけてはいけないということが大前提ではあるが、自身の問題を考える上で、果てしなく重い(とされている)出来事や考えていることが、実は軽いものであるとしたらどうだろうか。結構楽になるのではないだろうか。

 

あるいは逆に、私達は日々起こる「重大なこと」を、軽いものとして流してはいないだろうか。そのわかりやすい例は『日日是好日』でも言及されていたとおり、人と会う瞬間である。『一期一会』の精神は、「軽い」ように見えるその日の出会いに途方も無い「重さ」を見る精神であると思われる。

 

重さと軽さ。この問題について引き続き考えていきたい。