午後の雨 / Rain in the Afternoon

らくがき未満 / less than sketches

一息

お風呂上がりに(アルコールの飲み過ぎを警戒して)冷たいお茶を飲んでいる。思えば、いろいろな夜があった。

 

最近よくそう思う。まるで、何人か分の別の人生を輪切りにしているようだ。名古屋にいたこともあったし、東京にいたこともあった。長崎にも京都にもいたことがある。そんななかでも格別な場所を占めているのが、礼文島の記憶である。格別な場所というのは、そこだけ映画のような、まるっきり別世界の記憶だからである。

 

そして今は27歳、大阪にいる。緊急事態宣言は大阪こそ解除されていないが、他の39県は解除された。大阪府知事の「大阪モデル」なる基準により、自粛要請も緩和されたようだ。つい数日前と比べれば、授業がリモートではじまったこともあり、精神的には少しはましになった。そこで一息つく余裕もできたということだ。

 

これから、自分はどんな夜を過ごすだろうか。研究は、自分の人生のほんの一部、ついさっきはじまった小さな部分に過ぎない。別に投げ出してもよい。自暴自棄になって、人の道を外れて、それでも生きていくんだという人生でもいい。どうせなら、面白い人生を歩みたい。わくわくするような、葛藤しながら、自分に絶望しながら、それでも自分でありたいという人生を。