午後のまどろみ

らくがき未満 / less than sketches

2019-01-01から1年間の記事一覧

音色

自分が誰かわからなくなり、ベッドの上で寝転んでいた。下の階に降りて、調律の狂ったピアノに向き合った。 自分は、確かにそこにいた。自分の音色の通奏低音は、深い悲しみなのだと再認識した。弾きながら、誰がこの悲しみを理解できる?と思った。自分でさ…

夢とゲーム

今日、嫌な夢を見た。誰もいない大富豪の大邸宅に迷い込んだ。その家は、部屋を一歩出ると部屋の配置が毎回変わってしまう迷宮だった。大邸宅には、自分と女以外誰もいなかった。二人で途方にくれながらも愛し合っていると、女の方が死んで動かなくなってし…

「今」を生きるということ

短い間に、また停滞期間が訪れていた。それは事故のようなものだった。加えて、体調もよくなかった。 今まで信じていたものが、ばらばらになりそうになる。そうしたとき、どうすればよいか。それは、ずっと寝転がって、ただばらばらになって空に投げ出された…

上昇気流

最近、研究の合間に自分と向き合う時間が多かった。 自分が求めているものは何か。それは、もっと、今よりももっともっと上にいくことであることがわかってきた。私はどうやら、上昇志向がかなり強い人間であるようだ。常日頃感じる閉塞感は、上昇志向の裏返…

高齢者問題と若者問題に関する雑記

今日は「べき乗則」に熱中していた。 きっかけは、自分の社会的ネットワークの研究にBarabasi-Arbertモデルを改良したモデルを組み込もうとしていたことだ。 BAモデルは、成長するネットワークをモデリングしたもので、新しい点が既存のネットワークにつなが…

怒り

神戸で開かれた学会から帰ってきた(といっても誘われたからで、ほとんど神戸の観光目当てだった)。 最近、もろもろが停滞していた。 急に片付けをしたくなって、部屋の本や書類を整理した。その中で、自分の内側にある意外な感情を発見した。 それは、「怒…

人生とは何か

人生とは、痛みなのかもしれない。 少なくとも、痛みを分かち合おうとすること、それは人生の重要な一部分である。 思えば、今の自分の安定した基盤が出来上がるまで、20代の前半は特に、たくさんの人々を傷つけてきたような気がする。そうした彼ら/彼女らの…

日常の交差

久々に「生きる意味がわからない」という状況に陥ったまま、ベッドで寝転んでいた。今から思えば天気が良くなかった。 一日中家で過ごそうと思ったが、15時すぎにたまたま大学図書館で面白そうな本があるのをOPACで見つけたので、そのまま大学へ行くことにし…

夜と霧と大学

家に置いてあったヴィクトール・フランクルの『夜と霧』を読んだ(私が読んだのは旧版だったが、読みやすかった)。何気なく手にとって、そのまま一気に最後まで読んでしまった。 夜と霧 新版 作者: ヴィクトール・E・フランクル,池田香代子 出版社/メーカー…

今頃

気候がよくなってきた。 春の陽気とともに、キャンパスには元気な大学生が溢れている。 去年の今頃を思い出す。今頃は、幸せの絶頂だった気がする。 今の自分はどうすることもできず、ただ部屋で窓を開けてアコースティックギターを弾く。 今頃、向こうは何…

曇空

低気圧のせいか、急になにもやる気が起きなくなった。 迫り来る書類を脇にどけて、始めたばかりのアコースティックギターを引っ張り出す。 CMaj7の音にずっと聞き惚れていた。 全てから逃れたい。 この閉塞感のある街も、自分の状況も、生きる意味もどこかで…

社会学を1年間やってみて学んだこと

東京での学会発表が終わり、慌ただしく家に帰ってきた。 社会学を大学院で学び始めて、ちょうど1年が経った。方法論的に混乱していて、「わけのわからない」学問だなあという印象は相変わらず強いが、学んだことを忘れないうちに書き記しておく。 そもそも、…

それだけのはなし

最近は、朝起きてプールで泳ぎ、午後からはブックカフェで論文を書き、夜は本を読むという生活をしている。といえば随分と余裕のある暮らしをしているのかと思うだろうが、内実心のうちに焦るものがあり、実質会社のオフィスで忙しく仕事をしているのと心持…

昼と夜のあいだ(断章)

夢と現実の間くらいに、ほんの小さな隙間があった。 裂け目はいつのまにか大きくなり、空に向かって大量の水が吹き出して、それが雨になって落ちてきた。裂け目は、女性器の形をして、うごめく体温と粘り気があった。

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出会いと別れのなかで

大都市のベッドタウンである地元の都市は、高齢化が進んでいるのははっきりわかる。その街で、毎週夜に一人暮らしである祖母とターミナル駅のレストランのある階で食事を共にしている。 こう書くと聞こえはいいが、平日の夜にそこで食事をしているのは高齢者…

東京

千葉での泊まり込みの調査を終えて、東京に帰還した。 久々の東京である。 ホテルの一室で、缶ビールとカップラーメンを買い、疲れ果てた身体で夜の東京を見る。果てしない孤独、美しい孤独とでも名付けたくなるような感覚が私を襲う。 それは、孤独と過去あ…

名古屋

明日から、一週間名古屋を離れる。 そのせいか、急にどっと疲れが出てきた。 大学からの帰り道、いつものように電車に乗っていたのだが、ふと「もしかして、電車乗り違えたかもしれない」とかすかに頭をよぎった。 乗り慣れた電車のはずなのに、違う方角へ向…

How to survive this world?

最近、天気が良くない。 キャンパスを歩いていると、新入生と思しき人々(中には高校の制服を着た子もいる)がきらきらと闊歩していた。 私は新歓生からチラシを渡されて苦笑した。 今日は、徹底的に研究に対するモチベーションが無かったので、Life Admin(…

野生の思考

昨日は「雨」という記事を書いた。 hayatokat.hatenablog.com 今日は快晴だった。昨日と同じ人間とは思えないくらいポジティブで前向きな一日だった。 昨日、私の友人の中ではめずらしく「まともな」友人と連絡を取っていた。彼女は大企業につとめ、バリバリ…

ふとした瞬間、ささいなことで落ちる。 何もかもが厭になる。 雨が降っている。身体に水気が溜まる。 虚しくなる。人間関係が面倒になる。 親くないつながりはもちろん、親しいつながりでも維持するのは難しい。 なぜ、人は人を求めるように定められて生まれ…

Writing letters

This story is a continuation of the follow article: hayatokat.hatenablog.com The boy started to write letters to the world outside of the window. Letters were called CV, a cover letter and a motivation letter. He feels so anxiety, fear of …

革命

スーダンで今、革命が起きようとしているらしい。 首都にいる知り合いの方が教えてくれた。 彼から、リアルタイムの興奮が伝わってくる。 翻って、そのメッセージを受け取る私は、ブックカフェで静かにコーヒーを飲みながら三宅一生の作品集を見ている。 「…

Tシャツ販売の効用、あるいは社会学について考えたこと

突然、Tシャツ屋さんをはじめた。 といっても全然売れていないのだが。 けれども何か新しいことをはじめると、自分の歩き慣れた思考回路に新しい小道ができる。 それは大きな効用である。 たとえば、いつも行っている本屋を歩いていると「もっとこの本をここ…

Empty

After I devoted to research or design with enthusiasm, I always realized my mind is empty. I used to live a life like a dramatic movie. The fact that I was seriously in love are left. At midnight, I sometimes still recall the memories that…

Tシャツ屋さん始めました

突然ですが、Tシャツ屋さんはじめました。 このブログにあるような、日々の小さな物語をそのままTシャツにしたものです。 よろしくお願いします。

A Window

Since he was a child, he is always watching a window in the narrow room of his mind. Within the room, there is no risk and the boy feel really confortable. In the library on his mind, every book is written in Japanese (or sometimes by math…

Paused

日常生活を、ほんの数秒だけ一時停止してみた。 何もしない。何も聞かない。 ただ、なんとなくベッドの上に置かれたスマートフォンに入る連絡を待つ。 別に、ほとんど誰にも連絡してない。 誰かからの連絡はポワソン分布に近似的に従う確率変数にすぎない。 …

覚悟について

「年のはじめに災あり。艱難汝を玉にす」 正月に、熱田神宮で2年連続引いたおみくじの言葉だ。 その言葉通り、年初早々精神的にひどく落ち込み、研究は行き詰まり、散々だった。 しかし、それはなるべくしてなったのだと今は思う。 非常に苦しかったが、今は…

境界

今日、全く予定していなかったことではあったが、学部時代の友達と名古屋近郊の都市で会った。 あいちトリエンナーレ関係の展示を見るために彼女は重度の知的障害を持った弟、それに彼女の母親が立ち上げた福祉施設のスタッフとともに浜松からやってきた。 …