午後の雨 / Rain in the Afternoon

らくがき未満 / less than sketches

東京

千葉での泊まり込みの調査を終えて、東京に帰還した。

久々の東京である。

 

ホテルの一室で、缶ビールとカップラーメンを買い、疲れ果てた身体で夜の東京を見る。果てしない孤独、美しい孤独とでも名付けたくなるような感覚が私を襲う。

 

それは、孤独と過去あるいは未来への憧憬が入り混じったような感覚である。ああ、自分は人知れず、知らない人ばかりの街で生きている。

 

私が生きていること、それは私だけが知っている秘密だ。誰にも入ってきてほしくない、本当にわかる人のためだけに取って置かれた、ささやかで格別な場所だ。

 

私は、自分のささやかな人生を限りなく愛している。自分の美しい感性は、所詮誰にも理解されないだろうし、されたくない(なのにときどきどうしようもなく理解してほしくなるのはなぜだろう?)。

まるでラジオから流れる、録音状態の悪い曲のようだ。

 

そんな感傷的な気分に浸りながら、キリンの一番搾りをひとり飲んでいた。