「自分の作品を守るのは、自分しかいない」
もう6年前、麻布十番のカフェでもっとも尊敬する友人が言っていた言葉だ。
私は当時3歳上であった彼女の年をとうに追い越してしまったが、いまだにあのときの彼女を超えられない。
あのとき私は、大学の授業終わりにカフェで受けた彼女の「人生学」の講義から生きる上で重要なことを大体学んだ。
似たような学生ばかりの中、ずっとひとりで強く生きてきた彼女の存在、哲学、そして独創的な感性に私は強く惹きつけられていった。
彼女の発する言葉を、私の人生の全てをかけて一言も聞き漏らすまい、今は理解できなくてもいつか彼女の言葉を自分が必要とする日が来るだろうから、という強い直感のもとに、耳を傾けた。
今になって、あのときは意識していなかった彼女の言葉の別の側面、自分を守りながら究極的には独りで強く生きていくための姿勢を少しずつ理解できるようになった。
私の"Thesis Defense"ははるか先である。
たとえどのような道に行くとしても、負けないようにしたい。