午後の雨 / Rain in the Afternoon

らくがき未満 / less than sketches

お行儀

最近苦しんでいる閉塞感の理由のひとつに、「お行儀が良すぎる」ということが有るのだと思った。研究費をもらっている大学院生、そんなものに絡め取られてしまっている。そんな(世間的には大したことない)肩書の中ですら、自分は窒息しそうになっている。

 

個性とはそもそも、反社会的なものであると思う。学校や社会が要求する「個性」は、従順で都合のいい範囲で予め与えられたカテゴリーのいくつかを選択することに過ぎない。本当の個性というとき、私は以前ネットニュースで読んだあの(私の中での)伝説的な「側溝男」を思い出す。女性の下着をみるために女子大や女子高がある通りの側溝に数時間も入ることを数年繰り返し、逮捕されたときに「生まれ変わったら道になりたい」と供述した男。(女性にとっては恐怖でしかないが)彼こそが本当の個性に従った男である。この例に象徴的なように、個性とは社会にとっては撹乱要素でしかない。個性とはすなわち変態であり、変態とはつまりは存在の自由なのである。

 

翻って、私はどうか。私は、お行儀のよい大学院生である。お行儀悪くしたら首を切られる。それが耐えられない。破壊したい。撹乱したい。軽蔑したい。それが内に秘めた欲望というやつである。みんな、各々の深層から目を逸して生きているにすぎないのだ。さて、どうしたものか。