午後の雨 / Rain in the Afternoon

らくがき未満 / less than sketches

未踏の地へ

友人と電話することで、自分が相当イライラしていたことに気がついた。研究・創作ともに行き詰まっていたからだ。

 

今までは、量をこなすことで理想までたどり着くという戦略だった。しかしやるところまでやると、そこからは行き詰まってしまった。自分には才能がないのかとさえ思った。しかし、彼と話していて、今の自分の作品に足りないのが何かはわからないものの、それを打開するにはやり続けることだということを確認した。

 

結果が出ないときにやり続けられるかどうかが重要である、とインタビューで答える人は数多い。自分に今足りないことは、考え抜くこと、やり抜くことである。ただ考えるだけではダメで、負荷をかけなければならない。足りないのは、思考や創造の体力である。それを鍛えなければ、自分が望む水準の作品は作れない。

 

そう思うと、滞っていた創作が前に進んだ(少なくとも今日は)。とことん拘ろうと思った。世の中、完璧主義や強い拘りは障害になることはあっても、役に立つことは実際殆どない。そんな自分の完璧主義や潔癖が許される数少ない場所が、制作である。だからたとえ時間がかかったとしても徹底的に拘って、一文一文「なぜこの表現?」「何が言いたい?」「これで本当に良いのか?」と本当に納得するまでぶつけていくつもりだ。

 

言葉を、選び抜く。それこそが感性的人間にとって、少なくとも私にとって至上の歓びである。選んだ先にあるものを見たい。それが自分のモチベーションである。時間は掛かりそうだが、粘り強くやっていく。