午後のまどろみ

らくがき未満 / less than sketches

自分の道へ

修論提出まで、あと4日ほどである。このまま行けばなんとか無事、提出にこぎつけることができそうだ。最後の一秒まで、納得する論文に仕上げるべく努力したいと思う。自分に自信をつけるには、やはり自分との約束をひとつひとつ果たしていくしかない。それが自分の道につながる。自信とは、自分を信じることである。

 

これに関連して、初期仏典であるダンマパダ(法句経)の第8章には

 

戦場において百万人に勝つよりも、唯一つの自己に克(か)つ者こそ、じつに最上の勝利者である(103)。

 

と書かれている(中村元訳)。すでに2000年以上も前に釈尊はそう言っているのである。私は、自分がやっていることの成果がでていないときにすぐに「怠けている」ことを言い訳にしようとする傾向がある。しかし、やはりそれは自分らしくないし、自分の実力のなさを素直に認めてそれでも100%の努力をしようとするほうがよっぽど自分らしい。ダンマパダの第8章には、こうも書かれている。

 

怠りなまけて、気力もなく百年生きるよりは、堅固に努め励んで一日生きるほうがすぐれている(112)。

 

本当にそう思う。自分で考え、流れに逆らってこそ、生きている実感が湧く。ちなみにこの第112偈は、「人生100年時代」と喧伝される現代において、なおさら重要な意味があるのではないか。

 

先の見えない世の中である。動乱期は、安定期とは異なりロールモデルがなく、いやでも自分が自分の道を歩まなければいけなくなる。そうしたときに役立つのが自分の思想であり、哲学である。といっても自分ひとりの頭や経験など所詮しれているので、人生の「先行研究」として古今東西哲学書思想書、身近な他人の話を聞いて「編集する」のがいいと思う。そして、道なき道を作るためには、マイルストーンのように一つづつ目標を立てて潰していくしかない。そうした先に、なりたい自分がいるのだと今は思う。

 

私はたまに「わがまま」と言われるが、それは我がまま、すなわち自分の道を行くということであるのだ。

 

引用文献

 

ブッダの真理のことば・感興のことば (ワイド版 岩波文庫)

ブッダの真理のことば・感興のことば (ワイド版 岩波文庫)

  • 作者: 
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 1991/06/26
  • メディア: 単行本