午後の雨 / Rain in the Afternoon

らくがき未満 / less than sketches

バランス

日曜日の午前中にzoomで開かれていた学会が終わって、毎週日曜日に来てくれていた彼女も今日はこれないということなので、久々の空いた時間にぼうっとしていた。ぼうっとする時間は大切である。それによって、普段溜まっていたフラストレーションや、それに対する解決策が浮かんでいる。

 

だいぶ落ち着いてきたとはいえ、自分が精神のバランスを崩していたのは、実は自分を支える両輪である研究と創作のうち、後者が抜けていたからだということに行き着いた。研究が自分にとっての光だとしたら、創作は陰であるのだが、後者が抜けていたことで、アイデンティティ・クライシスのような状況にすらなっていたのだと自己診断した。

 

現実に考えれば博士号を文系で取るのは非常に大変なことであるので、指導教員の先生はじめ諸先生方に言わせれば「そんなことをせずに脇目も振らずにやれ」ということが正解になるのだろう。しかし、自分はそのバランスがないと、自分が誰なのかわからくなってしまうようだった。

 

それで文芸創作の方はといえば、実は今取り組んでいる作品があるのだが、やっていくうちにどうやら今の自分はこれを完成させる実力がないことに気がついた。完成品は見えているし、書きたいこともわかっているのだが、それを細部まで書き上げる体力がない。そこで、つい先程「小説塾」というとある現役作家の方が6回コースで課題を出し、添削してくれる講座に申し込んだ。ボスキャラといきなり闘っても勝ち目はないということで、まずは訓練所に行って研鑽を積むことを選んだのだ。その「小説塾」は、受講者が書いた原稿の講評に厳しいことを言ってくれるという体験者のブログ記事が決め手となった。やはり自分の好みとして、昔の徒弟制のように、学問にしろ文芸にしろそのコミュニティで鍛えられ、研鑽を積むことを自分は望んでいるようだった。