午後の雨 / Rain in the Afternoon

らくがき未満 / less than sketches

科学的態度の有用性

目下我々は、3つのウイルスと闘っている。ひとつめはもちろんCOVID-19、そして2つめはデマ、3つめは不安だ。全部等しく厄介で、生命と経済にダメージを与える。人々の意識に影響を与えるニュースをはじめとしたメディアは、構造的に人々の不安を煽るように出来ているようにみえる。犬が人を噛んでもニュースにはならないが、人が犬を噛んだらニュースになる、というように、人々の関心を引く珍しいものが針小棒大に叫ばれる。そう、メディアは常に針小棒大である。

 

それを受け取る人々も、「限られたサンプルではあるが、XXという症例についてXXモデルによればXX%がXXである可能性がある。このことからXXが示唆されるが、今後のさらなる研究が必要である...」という情報よりも、「16歳の少女が死んだ!!!!!!!!!」というニュースにショックを受ける。しかし、情報量が多く、真実により誠実なのは明らかに前者である。

 

そして不安や恐怖というのはウイルスと同様に伝播するのが厄介である。株価の暴落、あるいはトイレットペーパーの買い占めなどはこの集合的な不安が引き起こす。そして我々素人はCOVID-19に関する専門知識がまったくないため、そもそも情報の真贋がわからない。そのため常にデマを引き起こす、あるいはそれに影響されるリスクを持っている(私は最近ニュースをみるのに疲れたので、ニュースではなくmedRxivなどで論文を読んでいる。どうせ不安がまぎれるなら、マシなものを読みたい)。

 

そういった不安を少しでも和らげるために個人的に大事だと思うのは、科学的な態度である。科学的な態度とは、観察や実験によるエビデンスを最重要視し、再現性や反証可能性を要請し、すべての理論は仮説であると認識し、自己や他者の主張に批判的であるという態度のことである。これらを守っていれば、ある程度デマから身を守ることができるだろう。

 

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