書くことは、対立することなのかもしれない。
書くことを通して、自分自身や、世界と対立し、乗り越えて形にする。
大学院に入学し、修士論文を書くにあたって、早くも壁にぶち当たっている。
その「壁」はいくつもあるのだが、その壁の一番大きな部分はやはり「書く」ことそのものに内在するものだろう。
研究という営みを通して、自分の価値観が問われるのが社会学であるらしい。
自分は誰で、どういう価値観のもとにどういう問いを立てるのか。
学部の時から、いちいち立ち止まって考える性分だった。
20歳になったときはじめて「死」を意識して、生きるとは何か、死ぬとは何かを全身を使って考えた。
就活が迫れば仕事とは何か、社会とは何か、考察を重ねて、結果大学院で社会学を専攻することになってしまった。
「書く」とは不思議な営みだ。そして、唯一確かなのは、その営みの魅力に取り憑かれている自分がいるということだ。