音楽をかけて礼文島を海岸線沿いにドライブしながら、「今、自分は人生の何ページ目にいるのだろう」とふと考える。3ページ目だろうか、それとも30ページ目か。どの部分にしおりが挟まっているのかはわからない。
島の空模様はすっかり秋だ。澄んだ真っ青の海の上に、どこまでも秋の雲が広がっている。夜には満天の星空が見える。私ひとりにはもったいないくらいだ。華やかな島の夏が終わって、喪失感を隠せない。美しいものを見ると、その感動の反動か、世俗のものの何もかもが虚しくなってしまう。
傾いた午後の日差しに、無限の孤独の匂いをかぎつける。
自分はこの島で何をつかみ、何をつかめないのか。