午後の雨 / Rain in the Afternoon

らくがき未満 / less than sketches

怒り

神戸で開かれた学会から帰ってきた(といっても誘われたからで、ほとんど神戸の観光目当てだった)。

 

最近、もろもろが停滞していた。

 

急に片付けをしたくなって、部屋の本や書類を整理した。その中で、自分の内側にある意外な感情を発見した。

 

それは、「怒り」だった。そして怒りは他でもない、自分自身に向けられたものだった。それが現状の不甲斐なさのせいなのかはわからない。しかし神戸に行く前は、自分の今の(かつてはあれほど嫌っていた)大学の「居心地の良さ(ぬるま湯)」にすっかり浸かってしまい、自分が心の奥底でそういう感情を溜め込んでいたことにすら気がつかなかった。

 

1年以上通っていると、それなりに関係ができてくる。それらは居心地のよいものではあるが、果たして本当に自分が心の根源から求めているものだろうか?

居心地がよいためにこのままダラダラと博士後期課程に進んでしまうことに対する漠然とした、しかし底知れない危機感はある。いつの間にか、自分の院生生活が自分の手に負えなくなってきている。自分を疎外して院生生活だけが先へ先へと進んでいってしまっているような気がする。本当に、これでよいのだろうか?

 

居心地の良さを失うのは怖い。礼文島に住んでいたころ、島で生まれ育ったわけでもないのに、島外に出ることを「怖い」と感じてしまう自分に気が付いていた。それは、礼文島が好きとか嫌いとかではなく、居心地がよいからだ。しかしそれが長期的に見て自分のためにならないことは明らかだった。

 

決断は、自分でしなければならない。