2019-01-20 断片 数年後、どこかの都市、休日の公園、少し風の強い日に、外套のポケットに手を突っ込んで歩いている。 はしゃぐ子供の声、ピクニックをする家族、大道芸人、誰もいない休日のオフィス街。 ふと空を見上げると、白い紙飛行機が自分に向かって回転する軌道を描きながら落ちてくる。 あたりを見回すが、他の誰もその存在には気がつかない。 紙飛行機は、自分の手の中に落ちた。 僕は紙飛行機を広げた。見覚えのある字だった。 それは自分がかつて生きていた、別の世界からの手紙だった。