ふたたび雨
非常に短いスパンで、人生の停滞期が訪れる。
大学のキャンパス内のカフェで、Bill Evansを聴きながら傘をさす人々を眺める。
といえばずいぶんと余裕があるように感じられるが、実際は全然そんなことはない。
寝不足で、小さな悩み事に駆られ、朧気に外を見る。
何もかもがうまくいかない。
理性的に考えれば、うまくいっていないことなど全体のほんのわずかにすぎないことはわかっている。
しかし、それでも心は「何もかもがうまくいかない」と捉え、それは真実なのだ。
いわば、「ムード」とでも言ったところか。
じめじめした雨が身体に絡みついてくる。