午後の雨 / Rain in the Afternoon

らくがき未満 / less than sketches

想像力

想像力とは、恐ろしいものだ。

 

自分を天高く飛ばすこともあるが、奈落の底に突き落とすのも想像力だ。

 

私の想像力は、私にとってはまったく外部にあり、自分でコントロールすることは不可能に近い。そのリヴァイアサンは、何かを引き金にして、「不安」というガソリンを喰いながら巨大化する。一度増幅しはじめたら、まるでマルクスが考えた資本蓄積のように、止まらない。

 

特に夜は酷い。そんな日には酒ではなくてココアを飲んで落ち着けることにしている。それでもダメなら抗不安剤で抑えるしかない。

 

島とは違う、都会の厳然とした巨大なシステムの前で、私はあまりにも無力である。それは精密な機械であり、工場も、大手町のオフィス街も、同じ「生産」の時計、つまりは自分の時計ではない、他者の時計によって動いている。自分自身は破壊されそうになる。それを見て見ぬ振りをしながら作り笑顔をしなければならない。

 

過労死はきっと、なくならないだろう。それは工場におけるエラーと同じことである。生産のために人は時として命を失う。残念ながら人類はまだそれを乗り越えられていない。服やiPhoneを作るために、人の命がなくなるのだ。

 

ただ、自分自身に考えると、共同体にとってあまり必要のないもののために死にたくはない。そう考えると、一次産業、二次産業、三次産業とは「尊さ」の順番であろう。食べ物がなければ生存はできないが、スマートフォンがなくてもただちに死ぬことはない。

 

無力感が、現代病であると言われて久しい。書いたら楽になったのか、薬が効いてきたのか、今日はもう寝ることにする。