礼文島から一日をかけて、名古屋に戻って来た。束の間の滞在だ。
本屋の中をぐるぐる周りながら、自分の考えの中に没入する。
消費社会の象徴を眺めながら、自分が相手にすべきものを思い出す。
自分にとって礼文島での2年間は、人生の寄り道であった。それは、人生という長く深い夢の一部であった。
これからは再び都会の片隅で、孤独を飼いならしながらひっそり生きていくことになるのだろう。
自分にとって世界は第一に、観照するために存在する。そして第二には、自己の感覚を表現する場として存在するのかもしれない。