午後の雨 / Rain in the Afternoon

らくがき未満 / less than sketches

人生は音楽とともに

小学校の学芸会練習も佳境に入ってきた。島に来て、子供たちの歌に合わせてピアノを弾く生活ももう少しで終わりだ。

 

仕事の合間に、カフェでマスターと話をする。「人生、どこで妥協できるかが大事」。70歳を過ぎた彼は言う。「まだまだ妥協はできません」。23歳の私はそう答える。

 

放課後、子供達が帰った後も学校に残ってピアノの練習をしていた。そして家に帰り、オスカー・ピーターソンジョー・パスの演奏を聴きながらコーヒーを飲む。ライブやジャムセッションは、聞いているだけで胸が躍る。音が生起するその瞬間が楽しい。まさに人生そのものだ。

 

アフリカのとある部族の村に泊まった時のことを思い出す。火を囲んで、剣を持って舞う。ギターを弾く。太鼓を叩く。そういえばあの日も星空だった。砂漠から見えた満点の星空と、礼文島の満点の星空はまた違う。けれども、生命を讃えているのは同じだ。

 

時折人生と向き合いながら、今日もひたすら踊り続ける。