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午後の雨

らくがき未満

旅と生活

相変わらず、礼文島のスコトン岬をぼんやりと眺めながら、カフェでコーヒーを飲んでいる。

窓から何時間も眺めていると、礼文島を訪れているツアー客が定期的にバスで下の方から運ばれ、岬の前で記念撮影をして、また帰っていく。彼らはみな楽しそうに、非日常を楽しんでいる。窓ガラスのこちら側にいる私は、礼文島の日常の中にいる。全く同じ場所に、ふたつの時間が重なり合う。

 

日常と非日常、旅と生活は切り離して考えるべきものかどうか、私にはわからない。しかし、切り離して考えることはできる。かつて、私は旅ばかりしていた。今思えば、生活が纏う「労苦」「倦怠」そして「責任」などから逃れたかったのだ。私はかもめのように「生活」のまわりを旋回し、そして最後、そこに帰らなければならないことを知った。結局、「生活」を受け入れるほかはなく、立ち向かうしか方法はない、と知るのに何年もかかった。地球の果て、アフリカの奥地まで逃げ込んでも、自分の「意識」は自分にくっついてくる。「最北の地」礼文島に来て改めて思ったが、そもそも、丸い地球に果てなどない。

 

気がつけば日は傾き、岬で子供達が遊んでいる。どうやら私が今、仕事で面倒を見ている地元の子供達と鉢合わせたようだ。

これからどうするのか。悩みは尽きない。

 

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