午後の雨

らくがき未満

片付けの魔法

ミニマリスト、シンプルライフという言葉が流行っている。そのコンセプトは、文字通り、「必要最低限のもので、シンプルに生きてゆく」というものである。

 

東京の下宿先を引き払うので、自分が持っている服などに対して「いる、いらない、いらない、いらない、いらない、いらない、いる」と強気の断捨離を実行している。来月から放浪の旅にでる。「住所不定・無職」という新しい肩書きを手にいれるのだ。大学に通っていた数ヶ月前と現在の落差を考えると、ため息のような笑いがこみ上げてくる。

 

9月は雨の日が多かったが、今週になって晴れるようになってきた。窓に差し込む光を浴びながら、人生についてほんのすこしだけ考える。

 

ミニマリストの考えについては大いに賛同するが、ひとつだけ同意できないことがある。それは、人間関係についてだ。

物に対する断捨離を超えて、人間関係まで「必要、必要でない」と仕分けする風潮も一部あるような気がするが、それは本当に良いことなのだろうか。

私の目には人間関係の断捨離が、傲慢なものに映る。仮に人間関係を「必要性」の観点から整理したとして、残るのは、空っぽの部屋と化した精神、「いつか自分も断捨離の対象になるのではないか」という漠然とした不安ではないのか。

 

ここで「3.11」などという記号を持ち出したくはないが、たとえ腐れ縁であっても、たまたま知り合った「絆」を守り、面倒な人間関係、うるさい女にも耐え続けることで精神の貧困から救われるのではないのか。部屋を片付けながらそんなことを考えた。

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